光触媒とは?
光を吸収することにより、触媒として作用する物質。(触媒;それ自体は変化せず、物質の化学反応を進行させるもの)
現在実用化され広く使用されているものは酸化チタン(TiO2)のみです。光触媒は太陽や蛍光灯の紫外線を吸収し、酸素や水から活性物質を生成させ、
臭気物質、細菌、ウィルスなどを分解し、無害化します。
機能
有機物の酸化分解により、抗菌・消臭効果を発現します。
特長
1.半永久的にはたらきます。
光触媒はそれ自体は変化しないため、そこに付着している限り働きます。
(注;摩擦等により落ちたり、表面が汚染された場合はその限りではありません)
2.対象物を問いません。
有機物であればほとんどのものを分解することができます。
3.高い安全性
酸化チタンは食品添加物に指定されていることからわかるように人体に対する安全性は高く、歯磨き粉、化粧品などにも使用されています。
光触媒の効果 |
消臭効果 |
VOC(揮発性有機化合物)、たばこ、生ごみ、ペット臭など生活空間で発生する悪臭(アンモニア・酢酸・トリメチルアミン・メチルメルカプタン等)を分子レベルで分解。原因物質を問いません。今までの消臭剤のように定期的にスプレーしたりする必要はありません。
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抗菌効果 |
活性酸素の強力な酸化力により、細菌(大腸菌・MRSA・黄色ブドウ球菌・緑濃菌など)やカビなどを分解。公的試験機関における証明データー所得済みです。
細菌、ウィルスを分解し、無害化します。
・原因物質が未解明のものにも対策で来ます。(例;SARS)
・菌の死骸、毒素(例;O157のベロ毒素)も分解します。
・耐性菌を生み出しません。
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汚れ軽減効果 |
壁などに付いてゆくタバコのヤニを分解する力があり、汚れを軽減します。 |
シックハウス 有害化学物質対策 |
新築住宅やリフォーム直後の住宅の建材や内装材から発生してくる化学物質(ホルムアルデヒドなど)を分子レベルで分解するので化学物質過敏症などのシックハウス対策となります。シックハウス症候群の原因物質は数十種類~数百種類あるといわれていますが、一般的な吸着剤では対応できません。しかし光触媒は有機物であれば分解できますので、その多くに対応できます。
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その他 |
防汚(セルフクリーニング)、水質浄化、ダイオキシンの無害化など |
表 厚生労働省による化学物質の室内濃度指針値
化学物質 |
指針値 |
ホルムアルデヒド |
0.08 ppm |
トルエン |
0.07 ppm |
キシレン |
0.2 ppm |
パラジクロロベンゼン |
0.04 ppm |
エチルベンゼン |
0.88 ppm |
スチレン |
0.05 ppm |
クロルポリオス |
0.07 ppm |
フタル酸1-ジ-n-ブチル |
0.02 ppm |
テトラデカン |
0.04 ppm |
フタル酸1-ジ-2-エチルヘキシル |
7.6 ppb |
ダイアジノン |
0.02 ppb |
アセトアルデヒド |
0.03 ppm |
フェノカルブ |
3.8 ppb |
光触媒の欠点
・有機物なら全て分解してしまう → 布地や紙などに加工した場合、生地を傷めてしまいます。
・耐久性を下げてしまう → 光触媒はバインダーという接着剤で固定します。このバインダーも分解するため、耐久性が悪くなります。
これを改善したのがガイアの光触媒です
酸化チタンは光を吸収すると荷電子帯にある電子が励起され伝導帯に移動し、電子が抜けた跡に+の電荷を持つ正孔が生成します。この励起電子、正孔が触媒表面の酸素、水に作用して活性物質を作り出します。
光触媒の今後
①研究
1.可視光応答型光触媒
光触媒は紫外線を吸収することにより効果を発揮します。室内では窓辺などを除くと紫外線が少ない(特に夜間)ため、可視光(目に見える光)で有効な光触媒が研究されています。
しかし現在のところ
①可視光での反応はまだ効率が悪い
②蛍光灯下での反応が弱い場合がある
③コストが高い、といったデメリットがあり、今後の技術の進歩が期待されます。
2.反応効率アップ
少ない光でも効率よく働く、または光がなくなった後も効果が持続する検討が行われています。
3.環境浄化技術
空気浄化(排気ガス浄化、光化学スモッグ防止等)、水質浄化(河川、海洋汚染対策等)、有害物質の処理(PCB、ダイオキシンなどの分解)
4.産業への応用
農業への応用(農薬処理、農業排水のリサイクル化)など
②標準化
今まで各社バラバラだった試験方法を統一化=JIS化をはかり、正しい評価方法で国際競争力を上げ、まがいものを排除する。また国際標準化(ISO)へ発展させ、日本の技術として世界へアピールする。